北理研会長 あいさつ

理科教育のより一層の充実を願って 

                       北海道高等学校理科研究会会長 伊藤 新一郎

                             (北海道釧路江南高等学校長)

 北海道高等学校理科研究会は昭和33年(1958年)12月に札幌南高校を会場に第1回の大

会を開催して以来、北海道の高校理科教育に貢献し続けている長い歴史と伝統のある団体

です。本会はその目的に、「北海道の特殊性に立ち、本道の高校理科教育の実際について

研究し、高校の理科教育振興に寄与すること」を謳い、数々の実践をしています。

さて、昨年12月に文部科学省は中央教育審議会に「初等中等教育における教育課程の基

準等の在り方について」を諮問し、いよいよ学習指導要領の改訂に向けての議論がスター

トしました。文部科学省初等中等教育局教育課程課長の武藤氏は、「日本の学校教育や現

行学習指導要領の良い部分は継承し、課題についてはしっかりと受け止め、乗り越えてい

くバランス感覚の良い議論をしていくには、学校現場からのフィードバックも重要であり、

このことが次期学習指導要領の成功の鍵を握っている。」と述べています。本会の規約の

第3条には、「高校理科教育に関し、本道教育委員会及び文部科学省に意見を具申し、そ

の質問に応じる。」と記されており、これまで本会が培ってきた研究や知見を国の教育に

も生かすことができればと考えています。

本会の会員は、この広い北海道において、それぞれの地域にある素材を活用したり、各

校の状況に合わせて教材を綿密に工夫するなど、北海道の高校生たちにより質の高い理科

教育をしようと熱心に活動してきました。本道はもとより、我が国の理科教育のより一層

の充実に資するため、今後も実践を積み重ね、広く発信して参りますので、どうぞよろし

くお願いいたします。